そんなことは行く前に誰にでもわかる。それにもかかわらず、開業直後に訪れた利用者は「混雑していた」といった不満を書き込む。混雑が嫌なら自分が行くタイミングをズラせばいい話だ。
筆者は今年、北海道に長期滞在をした際にニセコやトマムのホテルを利用したが、非常に素晴らしい体験であった。ところが帰宅後にレビューを確認すると、検索候補には「ホテル名 最悪」と出てきて、冒頭に表示されるレビューも「開業直後の酷評」に集中していた。
だが実際には、どこのレストランも効率的に回っており、ピーク時間を外せば待ち時間は5分ほど。スタッフもすれ違えば必ず笑顔で挨拶してくれ、サービス水準に何の不満も抱かなかった。直近日付では苦情はほとんど見られないことからも、ホテル側の努力で問題は改善されたように思える。
もし自分が事前に入念にレビューを読んでいたら、おそらく強い不安を覚えてこのホテルを候補から外していただろう。感情的に書き込まれた不満のレビューとリアルの大きな乖離を感じるのだ。
SNSなどでも開業直後のサービスに「行ったことも体験をしたこともない」のにアクセス稼ぎの道具に使う目的で、ダメ出しばかり言う人が多い。特に日本は海外に比べて悪いレビューをする人が多いことで知られており、新作ゲームなどでは海外ではコメント欄が開放されているのに、日本語は閉じられていることからも「クレーマー気質」が現れている。
そのため、SNSでの評判もなるべく行く前には見ない方がいい。行ってみると実態は全く違う事が多いからだ。
「味と接客」は特に当てにならない
レビューの中でも特に信頼できないのが「料理の味」や「スタッフの対応」に関する記述である。
筆者が宿泊したホテルでも、「味が良くなかった」と酷評されていた場所が非常に満足できる食事を提供してくれた一方、「料理が素晴らしい」と絶賛されていたホテルでは、自分にとっては思ったほどではなかったこともある。味覚や食事の好みは個人差が極めて大きいため、レビューを真に受けるのは危険である。