黒坂岳央です。
筆者はほぼ毎月のように旅行や出張で全国を飛び回る生活を送っている。この夏だけで東京、北海道、沖縄、大阪、福岡とあちこち飛び回った。
自分が気を付けているのは、ホテルやテーマパークを選ぶ際に行く前にレビューは見ないようにしていることだ。普通は逆で、入念にレビューを見てから行き先を決めるだろう。
なぜか? その理由はレビューはバイアスを受けることで、意思決定を誤らせることが多いからだ。もちろん参考になるレビューも一部あるが、そうでないものが多いのであまり参考にしない方が良いと思っている。

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レビューは不満ほど目につきやすい
サービス業に携わった経験がある人ならわかると思うが、顧客がわざわざ声を上げるのは、期待を裏切られたときや不満が溜まったときである。
筆者はかつて、有名テーマパークの開業直後に派遣社員としてコールセンター業務を担当したことがある。その際、お問い合わせの大半はクレームであった。
「食事がおいしくない」 「待ち時間が長すぎ」 「スタッフの対応が悪い」 「年間パスが使いづらいから解約したい」
こうしたものだった。電話を受ける側からすると「このテーマパークは失敗なのではないか?」とさえ思ったほどだ。
だが実際には、来場者の多くは普通に楽しんでおり、今や日本を代表するテーマパークとして賑わいを見せている。「楽しかった」「問題なかった」という人はわざわざコールセンターに電話をすることはなく、結果として、聞こえてくる声はネガティブなものに偏る。
レビューサイトを見ることも、まったく同じ構図である。ネガティブな意見ほど目立ちやすく、しかも人間心理として悪い情報の方が強く記憶に残りやすい。
悪いレビューは投稿時期を見よ
特に当てにしてはいけないのが、「サービス開始直後のレビュー」である。
ホテル、テーマパーク、レストランのいずれも開業当初というのは、オペレーションがまだ安定しておらず、予想以上の入場者数でキャパシティが追いつかない。スタッフも現場に慣れていないため、至らぬ点が出るのは当然である。