では仮に前倒し総裁選が決まったとします。ここからの予想は現時点では相当困難です。個人的に可能性を考えていた岸田氏は28日の講演で「(出馬を)現時点では全く考えていない」と述べています。ただ、政治家というのは都合が良い発言をするので「現時点は昨日の話だろう、今日は情勢が違うんだよ」と言ってしまえばそれまで。ただ、それはさておき、現実的に見ると小泉氏は中庸かもしれません。いまは自民党は濃い色合いを出せないし、議席で過半数を取っていない現状を考えれば高市氏では無理なのです。これは人気とは全く別の戦略的次元の話です。

では野党はそれに従うか、という点が次に出てきます。これも難しいですが、何か突発的状況が生じれば玉木氏を神輿で担ぎ上げるという大技がないとも限りません。ただ、仮に小泉氏ならば比較的考え方が明白で押しが強いので案外、自民党復権につながるかもしれません。ただし、父親似のところがあるので、暴走して国会議員をけむに巻くようなら短期リリーフかもしれません。

いずれにせよ、自民党生き残り決戦の火ぶたが切って落とされたということでしょう。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年8月29日の記事より転載させていただきました。