地元の職人さんがオーガニックに育てた植物で藍染め体験

 具体的にどのようなツアーが人気を集めているのだろうか。

「非常に人気があるツアーは、ローカルな街での藍染め体験です。藍染めの蓼藍という植物を、現地で職人さんがオーガニックに育てていらっしゃって、そこですくもを作り、それで染めて、そのすすぎの過程を川で行うのです。夏などは、お客様に川に裸足で入っていただき、ご自分が染めたものをすすいでいただくいう体験が非常に好評です。たまに川遊びしている地元のお子さんもいて、やはり日本の自然の中で蛙を捕まえたり、小さい魚を見つけたりして、そういう光景も喜んでいただけます。お自分が着るTシャツやスカーフなどをデザインして染め、当日お持ち帰りになれます」

1人ひとりのお客様にカスタムメイドのツアーを作って提供

 これらのツアーは通常、丸一日かけて実施される。参加者の要望に応じて柔軟にプログラムを組んでいるという。

「少なくとも日帰りで、東京からのお客様にはなるべく地元に貢献したいので宿泊していただけるようにしていますが、例えば東京で1週間宿泊を取っている方などは、1日でも満足して貰える体験プログラムを用意しています。栃木県内までは大体1時間半、2時間で来れるので、朝10時ぐらいに駅でピックアップして、夕方6時ぐらいに駅にお送できます。

 食事についても地元の特色を活かした配慮をさせていただいております。なるべく旬の野菜などを使った地元のお店、地元のものが食べられる野菜中心のレストランなどで食事をとっていただいております。お客様の要望を聞いた上で、例えばお肉を食べないお客様や、グルテンがダメなお客様などのご要望に応じて、レストランを選定しています。そういうレストランに行ったら、ただ食べるだけではなくて、作っている方ともお話を少ししていただいて、『これはどういうものですよ』といったご説明や、『これはどこで採れたものです』ということをお伝えしています。お客様が『私これすごい好きだから、ぜひレシピを教えてください』といった感じで、色々と会話が生まれることもあります」

 参加者数は少人数制を基本としている。

「本当に少ないんです。以前は2名以上での受付でしたが、1名の方もたくさんいらっしゃって、1人で栃木に来たいという方をお断りするのは申し訳ないので、1人の方も受け入れています。平均2名で、多くて4名程度のご家族です。お友達やカップルの2名が1番多いですね。それぞれのお客様にカスタムメイドのツアーを作って提供しております」

 参加者の国籍は非常に多様だという。

「本当にいろんな国の方がいらっしゃいます。私はバックグラウンドがアメリカなので、アメリカのお客様が来てくださるかなと思っていましたが、初めの頃はヨーロッパやアジア圏の方ばかりでした。南米、アフリカの方もいらっしゃいますし、ブラジル、オーストラリアからも多くの方が参加されています。今、日本が注目されている観光地として、ネット上には多くの日本に関する情報が出ていて、すごく評判が良いので、それで行ってみたいという気持ちを持つ人が多いのだと思います」