ネット上でプライドを賭けて生産性のない喧嘩をしたり、承認欲求を満たすために見栄消費を繰り返す。「お金がない」こと自体は致命的ではない。だが「人からお金がないと思われること」を恐れ、身の丈に合わない生活を選ぶことこそ問題である。

テイカー思考

人間関係において「テイカー」に徹する人もまた、典型的な貧乏思考である。

テイカーは「自分が得をすること」以外を考えず、相手が損をしても意に介さない。逆に自分が損を出しそうになると「自分は犠牲者だ」と騒ぎ立てる。本人は無自覚だが、周囲はテイカー気質を敏感に察知するため、次第に人が離れていく。結果として最も孤独で、最も損をする。

「自分が損をすることが許せない」ためにリスクも取れず、長期的には最も大きな機会損失を被る。

揉め事を娯楽にする

「金持ち喧嘩せず」「争いは貧乏人の娯楽」という言葉がある。

実際、ネット上で喧嘩、差別、断絶、リンチは日常的に起きているが、そうした生産性のない活動に熱中している人間の中で、大きな富を築いた者はほぼいないだろう。

争いは感情を上下させ、一時的な快感がある。特にSNSが普及した現代では「安全地帯から石を投げる」行為が容易になったが、その足跡はリアル以上に残り、法的責任を問われるリスクも増大している。

勉強・自己投資をしない

学生でも社会人でも、最も格差を生む変数は「学び」への姿勢である。

成功する人は経験を投資とみなし、1つの体験から10の学びを引き出す。勉強を惜しまない人は確実に成長し続ける。

一方で、貧乏思考に陥る人は「自己投資こそ最大のリターンを生む」という現実を理解しない。株式投資はやっても、書籍やスキル習得には1円も払わない。結果として「相場次第の人生」から抜け出せない。

筆者自身もかつては貧しい生活をしていた。しかし勉強や学びにお金を投じたことで、「常にお金の心配をする生活」からは脱することができた。米国留学の際、母国が貧しい新興国でも国費で必死に学ぶ学生を目にし、環境に制約があっても学ぶ姿勢こそ人生を変える原動力だと確信した。