また、この方法は難しいトレーニングや特別な道具を使わず、文章を読ませるというシンプルな方法なので、学校の授業やSNSなどで簡単に導入できる可能性もあります。
ただし、実際に多くの人が使うためには、より短くてわかりやすい表現にするなどの工夫や、導入するための費用や手間についても今後詳しく調べる必要があります。
一方で、このワクチンの効果には注意すべきポイントもあります。
今回の実験の結果、情報を慎重に疑う態度が強くなるあまり、study2では少しだけ「全体的な不信感」が高まるという副作用も見られました。
研究チームはこれを「だまされにくくなった」という良い面として捉えていますが、あまりにも疑いすぎると、社会全体で必要な信頼関係まで壊してしまう可能性もあります。
そのため、このワクチンを広く使うときには、副作用が起きないかどうかを慎重に見守りながら進める必要があるでしょう。
さらに、今回の研究チームは、一回だけの短いメッセージで終わりにするのではなく、時間をおいて定期的に「思い出すための短いメッセージ(リマインダー)」をくり返すことで、効果がもっと長持ちするかもしれないとも考えています。
これは「ブースター接種」と呼ばれる本物のワクチンの仕組みと似ていて、何度か同じ内容をくり返すことで免疫力を維持する考え方を利用したものです。
まとめると、この研究が示しているのは、フェイクニュースや陰謀論に負けないためには、「自分の考えをちょっと疑う」という小さな習慣が何よりも大切だということです。
一度に強力な効果を求めるのではなく、日常の中で筋トレのように少しずつ考える力を鍛えていくことが、最終的には大きな力となって私たちをフェイク情報から守ってくれるかもしれません。
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元論文
Norm-enhanced prebunking for actively open-minded thinking indirectly improves misinformation discernment and reduces conspiracy beliefs
https://doi.org/10.1016/j.jesp.2025.104818