イギリスのキール大学(Keele University)などの研究チームが行った最新の実験でも、悪態を口にすると握力が平均で約1.4kg増え、同時に気持ちも明るく前向きになることが確認されました。
一方で、この効果が生じる仕組みとして考えられていた「脳がミスを気にしなくなる」という仮説については、脳波を測定した結果、支持されませんでした。
悪態によってなぜ体の力や気持ちが一時的に高まるのか、その本当の理由とは一体何なのでしょうか?
研究内容の詳細は『Quarterly Journal of Experimental Psychology』にて発表されました。
目次
- 昔から伝わる「悪態パワー」の謎
- 悪態がもたらした握力アップの秘密
- 悪態も使いようで助けになる
昔から伝わる「悪態パワー」の謎

スポーツの試合や職場などで思わず「くそっ!」などの汚い言葉(悪態)を叫んだことで、力や気合のようなものが湧いてきた経験はありませんか?
経験的にも悪態をついたあとの人々は原因から「全力で逃げる」よりもむしろ「立ち向かう」という行動のほうをよくとるはずです。
こうした「悪態をつくと力が出る」という現象は、昔から多くの人がなんとなく感じていて、科学者たちも「これは本当なのか?」「なぜそんなことが起こるのか?」と興味を持ち、研究を続けてきました。
これまでの研究では、悪態を口にすると実際に力が入りやすくなるという結果が報告されています。
例えば握力のテストでは、汚い言葉を口にした直後に握力が平均で約1.4kg高くなるというデータが示されています。
他にも、「悪態を口にした人は、氷水の中に手を入れているときの痛みをより長く我慢できる」という結果も報告されています。
これらの効果は心理的なものだけではなく、実際に体の生理的な反応、つまり体の内部で起こる自動的な活動とも関連すると考えられています。