特に繰り返し毎日使用されることを考えると、他の研究でも指摘されているように、ナノ粒子の生体蓄積、呼吸器系の炎症、神経系への影響といった健康リスクが懸念されます。
もちろん、今回の研究には、「参加者が少ない」「一部の製品しか分析されていない」など限界もあります。
それでも、これまで見落とされていた室内環境リスクを初めて定量的に明示した点で貴重な一歩であり、今後はより多様な製品と環境での研究が求められています。
「じゃあ今すぐドライヤーやアイロンを捨てなきゃ!」と思った方もいるかもしれません。
でも、適切な対策を取れば、リスクは十分に軽減できます。
実験でも有効だった対策としては、スタイリング時に換気扇を回す(ナノ粒子濃度が90%以上低減)こと、ヘアアイロンの温度を150℃以下に設定すること、シロキサン不使用(ノンシリコン)の整髪料を選ぶことなどが挙げられます。
私たちは、便利な製品を安心して使うために、「目に見えないリスク」にも目を向ける必要があります。
科学がそれを教えてくれるのなら、ただ怖がるのではなく、「知って対処できる」はずです。
全ての画像を見る
参考文献
This daily routine sends billions of hazardous nanoparticles into the lungs
https://newatlas.com/society-health/heated-hair-products-nanoparticles/
Heat-styling hair care products release billions of nanoparticles that can accumulate in lungs, engineers find
https://phys.org/news/2025-08-styling-hair-products-billions-nanoparticles.html
元論文