つまり、水分不足が続くことで活性化される水分調節機能は、別のルートとして脳にも作用してしまい、結果としてストレスホルモンであるコルチゾールを大量に作ってしまうのです。

もちろん、この研究には限界もあります。

サンプル数が32名と少ない点や、水分摂取量が自己申告ベースである点、他のホルモンや長期的健康影響までは評価されていない点などが挙げられます。

今後は、より詳細なテストや長期的な健康リスクへの解明が課題となるでしょう。

それでも、この研究が示した「水分不足がストレスホルモン反応を増幅させる」という事実は、私たちの生活習慣に直接影響を与える重要な知見であることは間違いありません。

明日、あなたにプレゼンや試験、あるいは大事な予定が控えているなら、まずはコップ1杯の水を飲んでから出かけましょう。

その一杯が、あなたの体をストレスから少し守ってくれるかもしれません。

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参考文献

Not drinking enough water floods your body with harmful stress hormones
https://newatlas.com/diet-nutrition/water-stress-cortisol/

Drinking too little puts body under extra stress
https://www.ljmu.ac.uk/about-us/news/articles/2025/8/22/dehydration-and-stress-study

元論文

Habitual fluid intake and hydration status influence cortisol reactivity to acute psychosocial stress
https://doi.org/10.1152/japplphysiol.00408.2025

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。