秘書時代のボスたちもプライベートの時間を最優先していました。家族や友人と共にすごす時間や趣味を楽しむ時間こそが、彼らが仕事を頑張る理由なのです(欧米では配偶者や家族とすごす時間を大事にしないことは離婚の理由になりやすいため、何をさしおいても家族ケアの時間を優先する人がほとんどという事情もあります)。

ボスたちは毎年、新年を迎えるお正月のタイミングで「今年はどこに旅行しようかな」「今年の連休は何月にあるかな」と、カレンダーを確認してその年のバケーションの計画を立てるのが恒例でした。

なお、長期休みや旅行の予定を立てる際は、ホテルや飛行機の予約や、観光の計画を立てる時間、持ちものを買ったり荷造りしたりといった準備のための時間も押さえておくことを忘れないでください。「準備時間」も楽しみなイベントのうちに含めましょう。

時間をかけてスケジュールを考える

「カレンダーやスケジュール帳とにらめっこして計画を立てている暇があったら、さっさと仕事に手をつけてしまったほうが早い」「どうせ予定は変わるのだから、きっちり計画を立てても無駄になる」と考えている人は少なくないようです。時間をかけてスケジュールを組む時間を定期的に取っている人は、あまり多くないのではないでしょうか?

そのような作業を面倒に感じる気持ちは理解できます。しかし、タイパのよい仕事のやり方をしていきたいのであれば、スケジュールをしっかり立てるための時間は必ず取るべきです。

例えば、海外へ行くときに何も計画したり予約したりせずにいきなり空港や現地へ行く、なんて無謀なことをする人は、まずいませんよね?

動き出す前に飛行機やホテルを調べて予約し、滞在日数分の必要な荷物を準備し、パッキングし、なんなら宿泊先周辺のお店なども調べておくのではないでしょうか。

それは、いきなり空港へ行って「本日の○○行きの便はありません」と言われて引き返したり、行き当たりばったりで宿泊先やレストランを探したりすることが、時間もお金も労力も無駄にしてしまう、タイパを高めることとは真逆の行為だとなんとなくわかっているからです。