つまり甲羅はほぼ骨であるため、カルシウムから出来ています。カルシウムの吸収にはビタミンD3が必要ですが、ビタミンD3の生成には紫外線が必要です。

カメはよく日光浴をしているイメージがないでしょうか? 飼育下でも紫外線ランプが必要ですが、それらはカメの健康を維持するために必要なことなのです。

カメの生態

日光浴をするリクガメ
日光浴をするリクガメ / Credit:foto project

カメの種類は陸棲種、水棲種、水陸両用棲種と幅広く、大きさにおいても2~10cmのミシシッピニオイガメ、約200cm(2m)にもなるオサガメなど幅広い種が存在します。

陸棲のカメは水辺で生活をすることが多く、草を食べますが、水棲のカメは、陸棲のカメに比べると肉を食べることが多くなっています。

爬虫類であるため、全てのカメは肺呼吸ですが、水棲種は肛門のような場所にあたる「総排出腔」でもガス交換を行えるため、長時間水面に顔を出さないこともあるようです。

また、陸棲種、水棲種共にほとんどのカメは冬眠をします。カメは変温動物であるため、体温が外気温の影響を受けます。

つまり冬場は体温が低くなるため、体温を維持して、代謝を促進することも難しい状況です。よって、無駄なエネルギーを使わないように冬眠するのです。

日照時間の少ない冬場に、落葉樹が葉緑体を作らずに、茶色い葉を落葉させるのと同じイメージです。

実はこのような『無駄なエネルギーを使わない仕組み』がカメの長寿や老化防止の原因になっている可能性があります。

カメはどのくらい長寿で、どのくらい老化しないのか?

健康的で長生きな老人
健康的で長生きな老人 / Credit:AC

全ての種を平均すると、カメの平均寿命は約100歳と言われています。これは、脊椎動物の中では最も長寿の記録です。長寿であることから、中国では縁起の良い動物として扱われています。

南太平洋のセントヘレナ島で飼育されている『ジョナサン』というゾウガメは、2020年になんと190歳になりました。気軽な気持ちでゾウガメをペットにしてしまったら、私達は最後までお世話が出来ないかもしれませんね。