友人と楽しい時間を過ごしたのに、家に帰るとすぐに気分が落ち込んでしまう。
推しのライブにいってものすごく喜んだのに、翌日にはその喜びがほとんど残っていない。
そんな風にとても楽しいことがあったのに、その喜びがすぐに消えてしまい虚しい気持ちになったという経験はあるでしょうか?
最新の研究によると、このような感情の不安定さには「孤独感」が深く関わっている可能性があるようです。
米国ペンシルベニア州立大学(The Pennsylvania State University,PSU)のジー・ウン・カン(Jee eun Kang)氏らの研究チームは、孤独を強く感じる人ほど日常生活で感情の浮き沈みが大きく、とくに楽しい気分が持続しにくいことを明らかにしました。
この発見は、孤独が単に「気分を暗くする」だけでなく、「良い気分を続けて保つことを難しくする」という新しい側面を示しています。
研究の詳細は、2025年7月14日付で科学雑誌『Cognition and Emotion』にオンライン掲載されています。
目次
- 日常の気分を“何度も測る”新しい調査方法で孤独を検証
- 孤独な人ほど気分が安定せず、とくに「楽しさ」が長続きしない
日常の気分を“何度も測る”新しい調査方法で孤独を検証
研究チームは「孤独な人の気分は安定しにくいのか」という疑問に答えるため、日常生活の中で気分を繰り返し測定しました。
孤独とは「望む人間関係と実際の人間関係との間にギャップがある状態」です。
これまでの研究では、孤独な人は平均的にネガティブ感情が強く、ポジティブ感情が弱いことが分かっていました。
しかし「気分の安定性」までを詳しく調べた研究は多くありませんでした。
そこで用いられたのが、スマートフォンで1日数回「いまの気分」を答えてもらうという調査方法です。記憶に頼らず、その場その場の気分を記録できるのがこの手法の特徴です。
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