東京は人を吸収し、圧倒的財務力で独り勝ちの様相を呈している、というのはおおかた同意いただけると思います。もちろん東京に住むとなれば不動産は高いです。ですが、食品は競争が激しいため地方との差はほとんどなく、沖縄の方が高いという統計すらあります。インフラが整備され、便利さでは他県を圧倒しており、必要なものに手が届きやすいという点では仮に高い不動産というマイナス点を考えても人々は東京というブラックホールならぬ「小池ホール」に吸い取られるようなものだと思っています。
特に昔から思うのは高齢者への厚遇ぶり。例えば70歳以上にはシルバーパスがあり、住民税を払っているかどうかでパスは年間1000円か20510円の二択(区によって金額は相違)で都バス、都営地下鉄などが乗り放題になります。他の道府県にもありますが、条件はベストだと思います。この夏、小池氏は「夏の4か月の水道代、基本料金をタダにします」と宣言。これができるのは東京都水道局が自分の影響力下にあるからという趣旨の説明をしています。基本料金4か月分で5000円ぐらい。更にここに来て65歳以上のご家庭のエアコンの新設、買い替えは8万円補助を打ち出しました。マジか!と私はため息すら出ます。
東京に生まれ育った者としては東京の便利さは実感しています。私が東京に行くとき、普段行っているエクササイズを区が運営するジムでやっています。1回400円、プールもサウナもあります。誰でも使えるし、あちらこちらにあるところが太っ腹だなと思います。47都道府県を47の会社だと置き換え、好きなところを選んでくださいと言われたら東京を選ぶ人は多いでしょう。それは資金力とインフラ、サービス力は大手にはかなわないというごく普通のビジネス観点から考えても当たり前なのであります。

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後記 日本の大学からインターンシップの学生を2週間受け入れている最中です。今年もなかなか気骨があって積極的に外の世界に向かっていく学生で一緒に過ごしている時間でも年齢差を忘れられるほどいろいろな会話をしています。私のインターンシッププログラムは2週間のうち半分以上が他社への一日派遣。つまりインターンシップのインターンシップなのですが、海外でいろいろな人がいろいろな仕事をしているのを経験し、様々な視点から経験値を積み上げるというのが私の独特のプログラム。なかなか厳しいですが、昨年来た学生は理事長報告会(永守重信氏です!)に選出され、私は今年も狙っています。私には何のメリットもないけれど学生が良い経験を持ってくれれば私はそれだけで嬉しいです、はい。