結果、座っている間にヒラメ筋の収縮運動を繰り返すことが、血中の糖分や脂肪の消費を促進する効果があることが判明します。
通常の筋肉はグリコーゲンと呼ばれる糖を分解したときに発生するエネルギーを利用して運動を行っています。
(※グリコーゲンを分解したときに発生するのが乳酸です)
しかしヒラメ筋の収縮運動ではグリコーゲンがほとんど消費されず、代わりのエネルギーとして血中の糖分や脂肪分が流用されていることが判明しました。
このような性質がヒラメ筋にあったことは知られておらず研究者たちも「この筋肉(ヒラメ筋)に血中の糖や脂肪を選択的に燃料とするような能力があるとは夢にも思わなかった」と述べています。
研究ではヒラメ筋にターゲットを絞った運動法が試されており、分析の結果、食後の血糖値の変動幅が52%改善され、インスリンの必要量も最大で60%減少することが示されています。
またヒラメ筋の収縮運動を続けている間、食事と食事の間の「断食時間帯」において、脂肪代謝率を通常の2倍にする効果も判明しました。
このような高い効果が得られた背景には、ヒラメ筋が疲れ知らずであることも大きな要因であるようです。
ヒラメ筋収縮はグリコーゲンの消費が非常に緩やかであるため乳酸が溜まりにくく、長時間の運動が可能でした。
そのため研究に参加した被験者たちは、座った状態で行われるヒラメ筋収縮運動を、何時間でも続けることが可能であり、持続的に血中の糖分や脂肪分を消費することにつながりました。
では、ヒラメ筋を収縮させる運動とは実際にはどんなものなのでしょうか?
足を床に置いてカカトを上げる「貧乏ゆすり的」な動き

どのようにしてヒラメ筋収縮を行うのか?
簡単に言えば、足の裏を平らな床に置いて、つま先を動かさないようにしながらカカトを上げる運動である、とのこと。