文化的にも「他人に頼るのは弱さ」という価値観が根付いていることが多く、さらに、「人を助けるべきか仕事に送れないことを選ぶべきか」という社会的ジレンマの場面では「相談することで利己的に見られる」ことを恐れる傾向も見られました。

一方で興味深いのは、「自分の文化の中でどれが一般的だと考えられているか」という問いに対しては、「友人の助言」も自己完結型の選択と同じくらいよく選ばれているだろうと予測される傾向があったことです。

これは、人々の内心にある理想と、周囲に対して持っている社会的な期待との間にズレが存在することを示唆しています。

この研究にも限界はあります。

調査は仮想シナリオに基づいており、実際の行動とは異なる可能性があります。

また、参加者は国を代表するような無作為抽出ではなく、便宜的なサンプル(学生や地域住民など)である点にも留意が必要です。

しかし、それでもこの研究は、意思決定における「自己完結型思考」が文化を超えて見られることを示した、極めて重要な成果です。

研究チームは、こうした傾向を前提にした上で、今後の組織設計や教育、医療、ビジネスに活かすべきだと提言しています。

そして次のようにも述べています。

人はまず内省から始めますが、最も賢い判断は、そのように一人で考えたことを他者と共有したときに生まれるかもしれません

他人からのアドバイスは貴重です。

だからこそ、自分の中に「自分だけで決めたい」という傾向があることを認め、そのことと向き合いつつ、誰かにアドバイスを求める姿勢を意識すると良いでしょう。

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参考文献

Globally, people prefer to ‘go it alone’ when making hard decisions
https://newatlas.com/society-health/decision-making-self-reliance-advice-global/