J2のライバルクラブがJ1経験豊富な選手の補強やJ2クラブの主力選手を獲得していることに比べれば、やや大人しく見える補強だが、内訳を見ると自チームの強みをさらに引き出す狙いが明確に表れている。また、チーム全体のバランスを考慮しつつ、課題である得点力の強化に踏み込んだ点も評価できることから2位とした。


ジェフユナイテッド千葉 写真:Getty Images

1位:ジェフユナイテッド千葉

新加入選手

  • 森海渡(横浜FCより期限付き移籍)
  • イサカ・ゼイン(モンテディオ山形より完全移籍)

昨季のリーグ戦最終盤、モンテディオ山形、ファジアーノ岡山、ベガルタ仙台の3クラブと激しいプレーオフ圏争いを繰り広げながら惜しくも7位でシーズンを終えたジェフユナイテッド千葉。2年連続のプレーオフ進出は叶わなかったが、悔しさをバネに戦う今季は開幕から6連勝など好調で、現在は自動昇格圏の2位につけている。

千葉の大きな武器となっているのは、リーグでも上位の得点力。昨季J2得点王となったFW小森飛絢が冬に海外挑戦を果たし不安要素もあったが、清水エスパルスから加入したFWカルリーニョス・ジュニオがここまで6ゴールを挙げるなどチームとしての得点力は維持できている。

千葉はこの夏、そんな攻撃陣をさらに強化する補強に動いた。まずは山形から加入したMFイサカ・ゼイン。直近2シーズン、山形をプレーオフ進出に導いた右サイドの切り込み隊長が加わった。今季の山形では途中出場の多かったゼインだが、千葉加入後は直近3試合でいずれもスタメンフル出場。デビュー戦となったいわきFC戦で早速アシストも挙げている。また、FW森海渡の加入も大きい。2023シーズンにはJ2徳島ヴォルティスで13ゴールを挙げた点取り屋の加入で、より決定機を活かせる布陣となった。

FW田中和樹の怪我による長期離脱や海外挑戦していた小森が帰還せずJ1浦和レッズへ移籍となるなど、この夏はファンやサポーターにとってショッキングなニュースもあった千葉。しかし、獲得した選手の存在は、それらを払拭するのに十分なものと言えることから評価を1位とした。