朝、コーヒーを飲んだときに感じる「ほっ」とするあの瞬間は、ただの気のせいではないのかもしれません。
ドイツのビーレフェルト大学(BU)とイギリスのウォーリック大学(UW)の共同研究によって、コーヒーや紅茶などのカフェイン飲料が、私たちの「幸せな気分」と有意に関係していることが明らかになりました。
これまでの研究の多くは、実験室など特殊な環境で行われてきましたが、今回は日常生活の中でカフェインがどのように人々の気分を変化させるのかを詳しく調べました。
その結果、カフェインを飲んだ後にはポジティブな気分が高まる傾向が明確に確認され、特に朝起きてから約2時間半以内に飲んだ時に最も強い関連が見られました。
さらに興味深いことに、このポジティブな気分の改善効果は、うつや不安の傾向、睡眠の質、カフェインへの依存度、普段の摂取量など個人差に関わらず、広く多くの人に見られました。
朝のコーヒーが多くの人に支持されるのは、どんな要因が隠れていたのでしょうか?
研究内容の詳細は2025年8月5日に『Scientific Reports』にて発表されました。
目次
- 実験室の外でカフェインの力を検証
- あなたの“あの感じ”に科学が追いついた
- 朝の一杯は、心にも効いていた
実験室の外でカフェインの力を検証

コーヒーやお茶、エナジードリンクなど、カフェインが含まれる飲み物は世界中で非常に人気があります。
実際、世界の人々の約8割が、日常的にこうしたカフェイン飲料を飲んでいると言われています。
では、なぜ私たちはカフェイン入りの飲み物をよく飲むのでしょうか。
特に朝にコーヒーを飲むと「頭がすっきりする」「気分が明るくなる」と感じる人はとても多いですよね。
こうした感覚はただの「気のせい」なのでしょうか?
それとも、カフェインが科学的に私たちの気分を変えているのでしょうか?