3. 爆撃機に寄生する戦闘機「XF-85 ゴブリン」 (1948年)

航空史に埋もれた愛すべき“迷作”飛行機7選!翼9枚の怪鳥から、自爆する“空飛ぶ円盤”まで…の画像4
(画像=U.S. Air Force photo(パブリック・ドメイン)リンク)

 その名の通り、「ゴブリン」の名がふさわしい、奇妙な卵型の戦闘機。これは、爆撃機の爆弾倉に格納されて運ばれる「パラサイト・ファイター」として設計された。

 敵機に遭遇した場合、母機である爆撃機から切り離されて敵を撃退し、再び母機にドッキングして帰還する――という、なんともロマンあふれる構想だ。しかし、この計画には致命的な欠陥があった。テストパイロットたちは、空中で母機に再ドッキングすることが、ほとんど不可能であることに気づいたのだ。さらに、戦闘機としての性能も当時の最低レベルであり、おまけにこれを積むと爆弾の搭載量が減るという本末転倒ぶり。ゴブリンは歴史の闇へと掃き捨てられた。

4. 尻尾で立つ垂直離着陸機「XFV サーモン」 (1954年)

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(画像=パブリック・ドメイン,リンク)

 広大な滑走路は不要。ヘリコプターのように真上に離着陸できれば、どれほど便利だろうか。

 そんな夢を追い求めたのが、このロッキードXFV、通称「サーモン」だ。地上では、奇妙な星形の尾で直立し、二重反転プロペラを天に向けて駐機する。テストでは垂直に離陸することには成功した。しかし、それだけだった。操縦は極めて困難で、性能も劣悪。結局、垂直離着陸(VTOL)の試みすら放棄された。現代のVTOL機が、このサーモンのような形をしていないのには、ちゃんと理由があるのだ。