ところで、、ハンガリーは今年4月、国際刑事裁判所(ICC)からの脱退を表明した。この決定は、ICCがイスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を出したことを受けて行われたものだが、ICCから戦争犯罪人として逮捕状が出ているプーチン氏にとって、ハンガリーの決定は大歓迎だろう。プーチン氏はICC加盟国の訪問を避けたいはずだ。

ちなみに、ICCは2023年3月17日、ロシアのプーチン大統領とその側近に対し、ウクライナから子どもたちを違法に連れ去ったことが戦争犯罪にあたるとして、逮捕状を発付した。スイスとオーストリアはICC加盟国だ。加盟国はプーチン氏が入国すれば逮捕しなければならない義務を負う。

ここまで見ていくと、「ブタペスト開催」が有力となる。ブダペスト発の情報によると、ウクライナ軍の攻撃後、ロシアのパイプライン「ドルジュバ(友情)」を通じた原油輸送が再開された。ハンガリーのシーヤールトー外相は19日、X通信に「ハンガリーへの原油輸送は再開された」と投稿し、ロシア政府の迅速な修復に感謝の意を表している。さらに、「ウクライナがこの重要なパイプラインを再び攻撃しないことを期待している。これは我々の戦争ではない。ハンガリーを巻き込んではならない!」と付け加えている。

以上から、米露ウクライナ3国首脳会談の開催地レースではブタペストが頭一つ抜けてトップを走っているが、ダークホースはアラブ諸国だろう。例えば、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)だ。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年8月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。