なぜわかったのか。こんなのは簡単です。まず、日本には正式な諜報組織はありません。ただ、一部の政府部門がその内部にそれを部署として持っています。内閣調査室を中心に外務省、警察、自衛隊、法務省です。そして法務省の傘下に公安調査庁があるのです。なのでここから消去法で類推すると分かってしまうのです。

内調(内閣調査室の略称)は基本的に情報の吸い上げ機関です。極端な話をすると内調が会議を招集すると外務省、警察、防衛省、法務省から担当が集まり、情報カードの出し合いをします。当然、各組織は自分こそ良い情報、誰も知らぬ情報を提示したいと考えます。では情報源はどこにあるのか、です。

警察は基本的に国内の事件絡みが多く、また諸外国の諜報組織(CIAやモサド、MI6など)との連携もあります。海外事情は一部の海外公館に出向者を派遣して現地警察やしかるべき現地組織と連携し、直接情報を取ります。表向きの目的は邦人の安全確保ですが、当然、それ以外の情報収集もします。自衛隊は戦備や社会情勢、局地的な戦争など具体的対象がある情報が主力です。外務省は外交官が世界各地にいるわけですから邦人の安全確保のために当然情報収集活動はします。基本は外交官、自らがやりますが、外交官も数年で交代するので現地で人を囲うことはありますし、そういうケースも知っています。ただケースは少ないと思います。

問題は法務省です。彼らはまず十分な組織がないのです。公安調査庁に配属になっている国家公務員が国内の様々な怪しいイベントに侵入潜伏調査しています。ただ、捕まえたりする公権がないのです。情報だけで公権を持つ誰かと協力する必要があり、公安調査庁は過去、存続の危機に立たされたこともあるのです。ただ、オウム真理教問題で公安が活躍したこともあり、現状、国内の右翼左翼を含めた思想犯に注力しています。その状況下、海外においては人材がいないので協力者を求めるのです。