私はスーパーマーケットの時代に生まれ育ち、コンビニが家の近くにあったもののさほど魅力を感じないままカナダに来てしまったのでいまだに日本に行けばスーパーマーケット派。人はそれを聞いて笑うのですが、私の予感はコンビニは今までとは違った大激戦が始まる気配があり、業界地図は視界不良とみています。
まず「コンビニエンス ストア」という名前が私にはダサいと感じるのです。北米ではコンビニの前時代には「General Store」というのが街角にあり、なんでも売っていました。今でもちょっと地方に行けば残っています。
日本では「よろずや」ですかね。昔、地方に行くと田園風景の中にぽつねんと一軒の商店があり、そこでほぼすべてのものが揃う仕組みでした。酒など重いものはもちろん「三河屋さん状態(=配達してくれる)」でした。私は小学校の休み期間は四国 高松の田園地帯の中にある祖父母の実家に預けられていたので年中そのような店にお菓子やアイスを買いに行ったものです。
コンビニエンス、つまり「便利」はもともとが長時間営業で住宅街にも店があり、家のすぐそばにある利便性が発祥でした。ところが業界の先駆者セブンイレブンは日商の設定が高く、私の実家の斜め前にあったセブンではオーナーさんが自腹でいつも買い物をして売り上げを増やしてやりくりしていました。たしか中学生ぐらいの頃だったと思いますが、私には「セブンの経営者はがめつい」という印象を深く刻んだのでした。そのセブンは好立地にもかかわらず、5年ぐらいで店を畳んでしまいました。
コンビニは進化します。陳列商品よりもレジから後ろの成長といったほうが良いでしょう。公共料金やさまざまな支払い、コンサートのチケット、荷物の受け取り…とまさにコンビニの真骨頂だったと思います。ところが支払いは今やネットでできるし、チケットはQRコード、宅配荷物も宅配ボックスが普及してきたこともあり、事情は時代と共に大きく変化してきています。