これらの任務は、いずれも乗員の命を危険に晒す必要がない無人潜水艦だからこそ可能になります。

特に、戦争の舞台が空から海底にまで広がる現代において、深海ドローンの重要性はますます高まりつつあります。
実際、世界中の軍が今注目しているのが「海底戦」です。
私たちが日々利用するインターネット通信は、世界中に張り巡らされた海底ケーブルによって繋がれています。
つまり、これらを破壊・防衛する能力も、次世代の覇権を左右するのです。
とはいえ現段階では、このエクスカリバーの航続距離や推進方式などは軍事機密扱いとなっており、詳細は明かされていません。
この”謎の多さ”も、未来兵器としての注目を集めることとなっています。
では、今回の遠隔操作実験はどれほど画期的で何を知ることができるのでしょうか?
大型無人潜水艦を1万6000kmの遠隔操作することに成功
エクスカリバーは、2025年7月に実施された、米豪主導の多国間軍事演習「タリスマン・セイバー(Exercise Talisman Sabre)」において、イギリス南部のデボンポート基地周辺の海域をパトロールしました。
驚くべきは、エクスカリバーが地球の裏側にあるオーストラリアの指令センターから操作されたという事実です。
その距離、およそ1万6000km。
ほぼ地球の裏側から、無人潜水艦を操作したというのです。

これは、AUKUSの「Pillar II」プロジェクトの枠組みの中で初めて実施された超大型無人潜水艦(XLUUV)の国際間リアルタイム運用であり、単なる技術デモンストレーションではありません。
演習には、イギリス・アメリカ・オーストラリアをはじめとする19カ国が参加しました。