3. ジャクー鳥の糞コーヒー
2006年、ブラジルの農家が地元のジャクー鳥がコーヒーチェリーを食べているのを見て、ひらめいた。「ジャコウネコの糞コーヒーが売れるなら、鳥の糞でもいけるのでは?」と。こうして生まれたのがジャクー鳥コーヒーだ。これもまた、1袋1000ドル(約15万円)近い価格で取引される高級品となった。
4. 象の糞コーヒー(ブラック・アイボリー)

次は何か? そう、象の糞コーヒーだ。その名も「ブラック・アイボリー」。製造方法はジャコウネコと同じ。象にコーヒーチェリーを食べさせ、その巨大な糞の山から未消化の豆を拾い集める。「世界で最も希少なコーヒー」と謳われ、1ポンド(約450g)あたり1500ドル(約22万円)以上で販売されている。
歴史と産業を動かした“価値ある糞”
5. グアノ

グアノとは、コウモリや特定の海鳥の糞が乾燥して堆積したもののこと。これは非常に優れた天然肥料であり、19世紀にはその価値から国家間で争奪戦が起きるほどだった。あまりの儲けぶりに、1856年、アメリカ政府は「グアノ島法」を制定。この法律は、アメリカ国民が世界のどこであれ、グアノが堆積した島を発見した場合、アメリカの名において領有権を主張でき、米軍の保護を受けられるという、とんでもないものだった。
6. ロイズ銀行のコプロライト(ヴァイキングの糞の化石)

次は、人間、それもヴァイキングが残した、はるかに古いウンチの話だ。1972年、イギリスのヨークで銀行の建設工事中、作業員が偶然「コプロライト(糞石)」、つまり糞の化石を発見した。調査の結果、これは9世紀にこの地に住んでいたヴァイキングの糞であることが判明。この見事なサイズのウンチの主は、パンや貝、ナッツなどを食べており、腸内に寄生虫がいたことまで分かった。非常に保存状態が良くユニークであるため、この「ロイズ銀行のコプロライト」は、少なくとも3万9000ドル(約580万円)の価値があると推定されている。