また、カラスは繁殖にあたり、パートナー関係は「一夫一妻制」をとっています。生涯同じパートナーと交尾をするため、毎年つがいを変えるオシドリよりもオシドリ夫婦なのです。

巣立ち後の若い成鳥は、しばらく両親にエサをねだり小さな家族による群れを形成します。「甘えん坊な子供」と「仲の良い両親」から成る群れだと思うと、微笑ましいものですね。

このように街中でもよく見かけるカラスですが、意外と死骸を見かけることは少ないのではないでしょうか? これは、カラスが「街中や低い場所ではなく、森林の高い木の上」への営巣を好むことが理由です。

カラスは、自分の身体が弱っていることを悟ると、その巣に籠もるようになります。

そのまま死んでしまうパターンが多いため、私達は死骸を見かけることが少ないのです。これは、多くの野生動物が、天敵に襲われないよう「他人に弱みは見せない」ポリシーを持っていることが分かる顕著な例です。

「家猫は、死期を悟ると飼い主の前から姿を消す」という話は有名かと思いますが、これもその本能に寄るものです。

そして、カラスはその巣をいつ頃作っているのでしょうか?

カラスは、秋頃になると集団で同じ「ねぐら」に帰るようになります。秋の夕日をバックに、カラスの群れが飛んでいたら、集団でねぐらに帰る所なのでしょう。

カラス達は、この群れの中で情報交換を行ったり、つがいを見つけたりします。やがて春頃になると、巣を作り始め、繁殖や子育てを始めます。

ところで、「ねぐら」と「巣」は別々に作られている別物であることに気づきましたでしょうか? 「ねぐら」は大勢で雑魚寝するための寝室のような場所であり、「巣」は夫婦で子育てをするための一軒家のような場所なのです。

知能が高いことが分かる、カラスが見せる行動

毛づくろいをしあう2羽のカラス
毛づくろいをしあう2羽のカラス / Credit:写真AC

このようなカラスですが「知能が高い鳥」であることは、有名なところでしょう。