人の顔を覚えられる記憶力も凄いですが、仲間のカラス達にそれを確実に伝えられる情報伝達能力も凄いのです。

④に関しては、「喧嘩に負けた仲間を慰める行為」が確認されています。

何羽かのカラスに、ある2羽のカラスの喧嘩を見せた実験があります。すると、負けた方のカラスに仲間が近づいていき、慰めるようにつついたり、毛づくろいをしてあげる行為が確認されました。

「動物に感情があること」は認められつつありますが、中々実証が難しい分野です。しかし、知能の高いカラスですから、「人間のように、感情も豊かなのではないか?」と考えられています。

カラスの葬式とは?

猛禽類にモビングするカラス
猛禽類にモビングするカラス / Credit:写真AC

カラスの生態については、一部有名なものもあったかと思いますが、「仲間の死に対して、特別な行為を取ること」はあまり知られてはいないのではないでしょうか?

その1つは「ネクロフィリア(屍姦)」というものです。鳥類にはペニスが無いため、総排出腔をこすりつけて交尾を行います。なんと、カラスが仲間の死骸にその行為をする様子が確認されているのです。

カラスはなぜ死姦するのか? カラスによる「ネクロフィリア」の衝撃映像が公開される

「屍姦」と聞くと、「恐ろしくて、世にも珍しいもの」のように感じるのではないでしょうか?

確かに、人間の世界においては、珍しい異常性癖の一つとして知られています。しかし、ネクロフィリア自体はイルカ、リス、カエル、トカゲなどの他の動物においても確認されており、さほど珍しいものではありません。

特に、キース・ムーリカー氏がマガモのネクロフィリアについて発表した論文は、イグノーベル賞を受賞し、世界中で話題となりました。

ネクロフィリアの原因については「繁殖期におけるホルモンの異常で、いつもと違う感覚にとまどい、衝動が押されらなくなっていること」「仲間の死が認識できないこと」などが挙げられていますが、完全には解明されていません。