これが一般的に当てはまるかどうかは別として、これを前提に考えると現預金という資産と年金というインカムに基づいて自分の余生を経済的に計算して、終末までにある程度使い切るというプランが基本になります。「何歳まで生きるかわからないのにそんなことできるわけがない」とおっしゃる方に対して私が言いたいのは感性としてコンサバになりすぎたり楽観視せず、もう少し自分の消費性向を客観的に見たうえで現実的になるべきと思うのです。報道で2000万円必要だと言われ、その枠組みにはめられた人は多いと思います。そうではないのです。

私のアプローチは平常月にいくら使うか、一年に一度から数回程度の非日常出費がどれぐらいあるのか、いざという時の出費とはどのような「いざ」を見込み、それはそれぞれいくらなのか、ここまで計算していくとずいぶん大雑把ながらも生涯必要経費はあらかたつかめると思います。

実は私はとりあえず、2036年までの計算はし終わっています。今から11年分、75歳という括りまでです。計算して驚いたのは仮に今日、リタイアしてもお金が増え続けるという現実でした。理由はカナダなので運用益が多く、一方で個人的に費消が少ないからです。また年金を何歳から貰うべきか、これも計算したのですが、結論からすると日本の年金は65歳から貰うのが正解であります。理由は70歳以降まで年金受給を引き延ばしてもその増額分にキャッチアップするには83歳ぐらいまで待たないと「得をしない」計算でした。その年齢まで健康ないし、生きている確率と年金受給の損得勘定ではおのずと応えは出てくるのです。

私の場合、平常月は何歳まで生きても増えるという計算になるので自分の余命が何歳だろうが関係ないのです。何歳まで生きようが平常月という考え方のアプローチをすればエクセルシートの列を右にどんどん伸ばしていけばよいだけで困難な計算ではありません。

非日常出費である旅行や子供や孫への出費も年齢と共に減ってくるものでしょうから、これも管理可能数値です。とすると最後、わからないのが老人ホームへの入所や健康障害による想定外の出費であります。多分、その出費は人生の最も後半から末期に起こりやすいことなのでそれは資産の取り崩しをすればよいと考えればどうでしょうか?