ドイツ、イギリス、カナダ、韓国は一定範囲をアップダウンしているようにも見えます。
日本の企業は非常に興味深い挙動となっているのではないでしょうか。
5. 対GDP比の国際比較
最後に、企業の財産所得(正味)の対GDP比についても国際比較してみましょう。

図5 財産所得(正味) 対GDP比 非金融法人企業 2023年OECD Data Explorerより
図5が各国企業の財産所得(正味)対GDP比の国際比較です。
日本は-0.8%で、先進国の中で最もマイナス水準の小さい国となっています。
スロベニア、フランス、スペイン、スロバキアと続き、主要先進国の中ではドイツ、イタリア、カナダが比較的マイナス水準の高い国となっています。
アイルランド以外にもスイス、ルクセンブルク、ノルウェーなど所得水準の高い国や、トルコ、メキシコなど経済発展中の国でマイナス水準がかなり大きいのが特徴的ですね。
企業への投資が大きく超過するほどマイナス水準が高くなりますので、日本は企業への投資が少ない国という見方もできるかもしれません。
6. 企業の財産所得の特徴
今回は企業の財産所得について国際比較してみました。
日本は対外直接投資が大きく超過している事もあり、企業の財産所得はほぼゼロになっています。
企業への投資が多い国ほどマイナス水準が大きくなる傾向にありそうですので、この状況が良いとは言い切れませんね。
他国へ投資ばかりしていて、他国からの投資が少ないということが企業の財産所得にも大きく表れているように思います。
日本企業の特徴が良くわかる統計データだったのではないでしょうか。
皆さんはどのように考えますか?
編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2025年8月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。