当時のアメリカ政府内でも、東南アジアで対英戦争が起こった場合、アメリカが参戦するかどうかについて意見はわかれていた。孤立主義的な国民もアジア参戦には否定的だったが、状況は真珠湾攻撃で一変し、世論は日本への報復に沸き立ったのだ。

自由主義もデモクラシーも、ヨーロッパの長い戦争で生き残った制度である。絶対君主と傭兵では、長期戦は戦えない。全国民が「自分の国だ」と思って戦力でも補給でも協力しないと、総力戦には勝てないのだ。日本軍が見誤ったのは、自由主義とデモクラシーこそ国家の最強の武器だということだった。