アメリカ ロシアサミットは NO DEAL!
こちらの報道では両首脳会議をサミット会議と称しているものも多くあります。つまりトップ同士の会談という意です。今日はその内容の一部でも漏れ聞こえてくるならそれをトピックにしようと思っていたのですが、これを書く日本時間の午前9時前にようやく、共同記者会見の様子が報じられ、「和平合意できず」(日経)でカナダやアメリカの報道もほぼ異口同音であります。トランプ氏が会談前にディールできない可能性も25%ぐらいあると言っていたのですが、その25%になっています。これは多くの専門家が「ディール上手のプーチン氏はそれほど簡単ではない」と述べていたのでその通りになったともいえます。
会議の流れは事前に何度か軌道修正されており、トランプ氏はウクライナの領土問題には触れないということになっていました。とはいえ、具体的にそれを言及しなくてもそれが頭にあるわけで相当意識した会議の展開だったと思います。今回の会議は「とっかかり」という位置づけにしているのでNo Dealであったとしても今後、数カ月の時間と数回の会議を展開できるきっかけになった可能性はあります。個人的に感じるのは今回、プーチン氏はトランプ氏を利用しようとし、トランプ氏はプーチン氏を利用しようとする双方が商魂ともいえるほどの下心を持った会議だったとみています。アメリカ、ロシアともカードゲームでいうエースと絵札を全部揃えたまさにサミット同士のガチンコ勝負であり、なかなか見られない高度な戦略を含む交渉が展開されたとみています。
アメリカとロシアがお互いに経済ディールの下地を作る余地はあったのではないか、とみています。トランプ氏は最終的に中国、ロシアと一定の距離感を保ちながらも取引可能な関係を作り上げたいのだとみています。もともと細かい外交が得手とは思えないトランプ氏にとってアメリカ、中国、ロシアがディールすれば世界の8割以上が影響力に於いてカバーされるわけで一種のパワーゲームの展開だろうとみています。よって私の予想はトランプ氏は次の習近平氏との直接交渉が案外決め手になるのではないかとみています。時期は10月にマレーシアで開催されるASEANの関連会議とみており、トランプ氏と習近平氏の参加が見込まれます。世界外交という点では非常に重要な秋を迎えそうです。