SDGsの取組を掲げているが、「食品ロス」を引き起こしてしまった。今回、食品廃棄量は推定2万〜3万食分、CO₂排出量は約25〜37.5トン、転売市場規模:推定2,000万〜3,000万円とも言われている。なんとも企業の責任が問われる事例になってしまった。
3つの問題点
今回の騒動。企業のコントロールの問題だが、転売目的の買い占めは近年、あからさまにやられるようになった。日本人でやっている方もいるが、全体に占める割合は中国人の方々が多い。日本人の多くが「普通はそこまでやらないだろう」というラインを超えたものになっている。
問題は3つである。
第1に、中国人・ベトナム人の一部の方々がルール・不文律を守らなくてもお構いなしというメンタリティと行動特性にどう対応するのか。
「5つまでがルールやで」と言っても「そんなん知るか!(守る必要ないじゃん)」という心情なのだろう。「他人からどう見られようが知らない」というスタンスなので、周囲にゴミを捨てても気にしないわけだ。こうした感性や行動を少しばかり「郷に」従ってもらえるか、多文化共生において最大の問題である。
第2に、メディア。今回取り上げられてはいたが、全体的な概説や一般的な話で、実際行動した人に直接取材されているケースは見受けられなかった。SDGsの観点からもっと掘り下げてもいいのに…と思うほどだ。大手クライアントなのでメディアでもどっぷり紹介はできないといったところか。どこかの市長の経歴詐欺問題ほどには特集されない。
第3に、SDGs的な意味では、どう考えてもある程度は予測できたはずだ。事業を実施する際に普通は色々検討する。事業の企画の際(目的、成果、進め方、リスク)、このリスクをどう予測したのか、予測結果をどう検討したか、意思決定したのか、内部での検討プロセスはとても気になる。
現象が想像以上だったのか、売上が上がればゴミが出ようがOKだったのか、内部でどんな検討が行われたのか。そのあたりをこそ「社会的責任」だろう。