翌2024シーズンには、J3のカマタマーレ讃岐へ期限付き移籍。シーズン途中加入ながらリーグ戦13試合に出場し、終盤にはチームに欠かせない存在となって成長の手ごたえを掴んだ。
札幌に復帰した今シーズン、西野の運命を変えたのが岩政監督との出会いだった。大分トリニータとの開幕戦(0-2)こそ出場機会はなかったが、以降はセンターバック(CB)やボランチを主戦場に、ここまでリーグ戦19試合出場1アシストと、チームの中核を担うまでになった。
今シーズンの西野は、フィジカル面での成長はもちろん、特にデュエルの強さが際立つ。これは現役時代に闘将タイプのCBとして長年活躍した岩政監督の存在が大きいだろう。練習後に監督がマンツーマンで指導する姿も筆者は幾度も目にしてきた。わずか7カ月で別れを告げることとなった“恩師”へ、21歳の若武者は更なる成長を誓うことだろう。

バカヨコが札幌の得点源に
昨夏、J1残留の切り札として大型補強に乗り出した札幌。そこで獲得した1人が、シエラレオネ代表FWアマドゥ・バカヨコだった。190cm、80kgの恵まれた体格を武器に、ポストプレーや前線でタメを作れるのがバカヨコの持ち味だ。しかし、ペトロヴィッチ監督の攻撃的戦術にはなかなか順応できず、リーグ戦出場はわずか6試合で1ゴールという悔しい結果に終わった。
岩政監督を迎えた今シーズン、シーズンオフの補強は、ベルギー1部のコルトレイクからMF高嶺朋樹を獲得したのみで、監督には現有戦力をどう生かすかが問われていた。
バカヨコは開幕から2試合は出場がなかったものの、第3節レノファ山口戦(0-2)で今シーズン初出場。短い出場時間ながら、そのフィジカルはJ2でも群を抜いており、チームにとって有力なオプションであることを印象づけた。