ああ、普通の40代は旧友と酒を飲んで騒げる友達がいるものなのか、と。友達関係への投資を怠ってきた自分に、身近でそういう相手はすぐ見つからないなと気づいてしまった。

40代ともなると新規の友達はできないし、旧友と仲の良さを維持する「投資」を意識しないといずれ誰もいなくなってしまう。一度、関係が切れてしまうと再接続は難しい。

友達の維持は人生全体の寿命対効果が高い活動と思うのだ。

4. 自炊

自炊は過小評価されがちだ。「手早く外食した方がコスパいい。洗い物もいらないし、日本は外食が安く東京なら選択肢も多い」という意見の持ち主も少なくないだろう。

だが自炊は技術として極めると、人生を変えるほどのインパクトがある。手前味噌ながら筆者は自炊が大得意である。

朝の味噌汁から始まって基本的に食事はすべて自分が作る。毎日3食、野菜は豊富にできるだけ健康を意識した献立にする。忙しい時は下ごしらえをしたものを冷凍しておき、いざ食べる時にサッと仕上げれば完成品になる。食器も食洗機前提にすれば、洗い物の手間もほとんどかからない。

自炊を極めるとまず外食にいかなくなる。理由は複数ある。1つ目に外食は店までの移動時間、食事提供の待ち時間がムダ。2つ目は外食は栄養が偏り、野菜が少ない。3つ目は自炊の方が圧倒的においしい。

筆者が外食する時は自宅で作らない料理を楽しむ時か、誕生日会などイベント限定である。

「自炊はコスパ悪い」というのは料理の技術力がない人が言っている事が多い。一朝一夕に技術は身につかないが、毎日作っていればこれほどコスパも寿命対効果も高い能力はないと分かる。

40代以降は「今日の1時間」が将来の自由時間や健康寿命を決定する。コスパやタイパで短期の効率を追求するのも重要だが、それだけでは人生後半の資本である「健康な時間」を確保できない。寿命対効果という長期的視点を持ち、時間のポートフォリオを戦略的に組み替えることこそが、これからのビジネスパーソンに求められる生存戦略である。