思えば2018年VIXショックの頃に本ブログが始まった当初からメインテーマの一つが「リスクパリティの罵倒」であり、リスクパリティが買ったので下がる、リスクパリティが売ったので上がる、と連呼していたのであり、今はすっかりそれどころではなくなったのだが、せっかくなのでやはりリスクパリティが買ったからにはクラッシュは遠くないという判断を繰り返すこととする。
バリュエーションは2021年並みに伸びてきたが、メガテック主導なので等ウェイト指数との差が拡大している。
NAAIMは再び急速に楽観化した。先週が雇用統計ショックから無理な角度で反発したのは、やはり「NAAIMが生意気にも調整を先取りした」からではないか。そう考えると総楽観へのシフトによって「雇用統計の下落を期待していた」機関投資家の買戻しは済んでいる可能性が高い。そういう意味でNAAIMだけ見ると「ブルトラップを作った」ようにも見えるが、果たして。
インサイダーは売り止めが続く。
テクニカル。S&P 500ベースでは6427の週足レジスタンスが健在であるが、ナスダックは週足上ヒゲ陰線の高値を利食いもこなしながら数回攻めた上で僅差ながら突破しているため、ショートもじり高に燃やされるリスクが高い。
下値では引続き、過去最高値を更新しないまま6200を割り込んだら日足ヘッドアンドショルダーが形成される。いずれにしろ6300近辺での一旦の浮遊は想定していたのだが、半導体関税が上げ燃料を作ったのは意外であった。
今週はCPI、PPI、小売りとマクロの週であり、よければアンチ・ゴルディロックス気味、悪ければ雇用統計を蒸し返しやすくなるため、イベントを跨ぐのはオッズが悪いように見えるし、またそう見えるからイベント前にはヘッジが出る可能性もあるものの、指標がない時間帯はじり高が続きそうな雰囲気である。
イベント自体も、1日2%以上の下落を招いたら続落トリガーを引く可能性が高いが、そうでなければ――雇用統計ですらそうだったように――多少の下げは買戻しのきっかけになりやすそうに見える。