この経験から、固執している要素が本当に必要か見極め、不要なら思い切って切り離すことが重要だと分かります。
ポイント4:「もっと簡単に進められる」状況を想像する
タスクや決断が重く感じる背景には、心理的な障壁があります。
そこで博士は、「もしこうだったらもっと簡単に進められる」というシナリオを想像し、その条件を部分的に再現することを勧めます。
例えば、次のような条件では、決断が楽になるかもしれません。想像してみてください。
- 結果が事前に分かっている
- 選択肢が少ない
- 他人のために決断する(感情的負担が少ない)
- 必要なお金や時間が少ない決定である(低リスク)
- 緊急性があった(迷う余地が少ない)
こうした「決断が簡単な要素」を想像できると、今の自分を何が阻んでいるのかよく理解できます。
理解できたなら、その「障壁」を回避するよう工夫できます。
ポイント5:「考えすぎ=責任感」と錯覚しない

多くの人は「悩む時間が長い=丁寧で責任感がある」と思い込みがちです。
しかし実際には、考えすぎには大きな機会損失が伴います。
1日に10分だけ考えすぎた場合、年間で60時間以上を失っている計算です。
さらに、考えすぎが習慣化すると、決断の遅いスタイルがデフォルトになってしまいます。
博士は代替行動として、柔軟性を発揮することを推奨します。
そして、柔軟性はオーバーシンカー(考えすぎる人)の強みでもあります。
なぜなら彼らは、生まれつき「複数の選択肢を考える意欲」を持っているからです。
あとは、それを「実行に移す」ことに意識を向けることで、真価を発揮できます。
ここまでで、アリス・ボイズ博士が提案する「仕事をスピードアップする5つのヒント」を考慮しました。
これらは、単に「早く決める」ためではなく、質を保ちながら決断と行動を加速させるための実践的戦略です。