最後に大切なのは、私たち一人ひとりが「意識的に何もしない時間」を持つことです。通勤通学や家事の合間にスマホを見ず、景色を眺める。森でなくても、庭の花や窓の雲でも十分です。

大事なのは、五感は働かせながら頭をオフにすること――つまり“自然に身をゆだねてぼんやりする”時間を意図してつくることです。

そうすれば脳は自動的にクールダウンし、鋭さを取り戻します。

「何もしない」は脳にとって無駄ではなく、必要な充電タイムなのです。

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元論文

A Simulated Walk in Nature: Testing Predictions From the Attention Restoration Theory
https://doi.org/10.1177/0013916519882775

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部