では接待されると何があるのか、というと高い請求書が来ると考えています。担当者同士の阿吽の呼吸ができるので「メロンです、請求書です。」のような話になりやすいのです。私はビジネスに対する姿勢がかなり厳しく取引相手とガチンコ勝負したいので弱みは握られたくないのです。
一方、家族接待というのは日本の零細企業、ファミリー企業にはよくあることです。上述の交際費の枠組みがあればそれこそ毎日旨いものを食べ続けても全額交際費処理することが可能です。言い換えれば「税務署にお金取られるならおいしいもの食べて利益減らした方がいいよね」となるのは当然の判断とも言えます。私の日本の知り合いで365日、ほぼ外食という強者もいます。
私から見れば日本の交際費の考え方は極めて緩い税金控除の一種だと思うのです。政治家が減税と叫んでいる一方で一部の経営者たちは高級店で旨いものを食べ続けている、そしてそれがビジネスにはほぼ関係ないレベルにあるという点は考えるべき点でしょう。
ビジネスをするのに接待が必要だ、と考えるのは少しずつ変わってきていると思います。お客様をきちんとおもてなしすることと高級なものを食べさせるのは別です。確かに接待されることに慣れている人からすれば目も口も肥えてくるので「あんな安い店に連れて行きやがって」と文句すらいう人をしばしば見かけます。それならば初めっから接待など提供しない方がましだと私は思うのです。
多分、接待文化は緩やかながらも変わってくると思います。企業もいくら税務上の接待費枠があるとしてもそれを使うことを黙認する時代ではないし、そんな経営では勝ち抜けないことぐらいわかっていると思います。つまり税務当局の方がむしろ時代錯誤なのかもしれません。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年8月11日の記事より転載させていただきました。










































