先日、バンクーバーのある高名なソーシャルクラブのスピーカーズ ランチ(ランチを食べながらゲストのスピーチを聞くプログラム)に招待されました。集まった人、約20数名。各々が、一通りの挨拶をすると椅子に座り、目の前にあるトレーからサンドウィッチを2つぐらいつまみ隣の人に渡します。その間に給仕が「スープはいかが?」と配ってくれるだけ。スピーカーは皆がバラバラと勝手に食べている間にそそくさとトークを開始します。当然ながら聞く人はむしゃむしゃしながらその話を聞き、その間にコーヒーが提供されるという仕組みでした。ある意味、もっとも著名なソーシャルクラブのランチがここまで簡素、かつ、参加者が人の目も気にせず食事を開始しているのには「北米らしい」と思いました。
スピーカーの話が終わるとディスカッションの時間で参加者がスピーカーの話題について各々が意見を述べます。1時間半できっちり終わり、皆さん、あっという間に会場から消え去ります。
ではこのランチ、何なのか、といえば20数年間、毎週決まった日に続いている会合で来たい人が勝手に来て勝手に話を聞いて帰る、という極めて緩い規律の中で運営されています。参加者は驚くほど高位、ないし社会的ステータスの高い人ばかり。そのような方々がこれほど簡素なランチに来るというのは日本ではありえない話だと思います。
以前加入していた当地の商工会議所のランチ会でも席に着けばサラダは既に盛り付けられ、各自は自己紹介をしたらさっさとサラダを食べ、そのうちメインの料理が廻ってくる、その間、スピーカーがしゃべり出し、コーヒーを飲みながら聞くというはたぶん、こちらの基本パタン。そしてそれらの飯は旨いか、と言われればたぶん日本のコンビニ飯の方がベターな気がします。
ふと思うのは日本のグルメぶりは尋常ではないな、という点です。もちろん批判などしていません。素晴らしいし、外国人も大喜びなのですが、案外、接待費という会社の経費が支える業種でもあるのかな、と思います。