笑いと遊び心は先天的な特質として、我々の脳に元から備わっているようです。

ドイツのベルリン・フンボルト大学(HU Berlin)で行われた2023年の研究によって、ラットの脳内に「笑いと遊び心」を制御する脳回路が発見されました。

この脳回路はラットが笑い声をあげながら遊んでいるときに顕著に活性化しており、脳内に刺し込んだ電極から活発な信号が観測されました。

一方、この脳回路を破壊したところ、ラットはくすぐられても笑い声をあげなくなり、遊びに対する興味が失われてしまいました。

研究者たちは「遊び」は怒りや恐怖と同じく、専門の脳回路が存在する本能的な行動であり、人間を含む他の動物にも同様の仕組みが存在する可能性があると述べています。

しかし、そもそもなぜ私たち動物たちは、遊ぶように進化したのでしょうか?

研究内容の詳細は2023年7月28日に『Neuron』にて公開されています。

目次

  • ラットをくすぐる研究で「笑いと遊び心の中枢」を発見!

ラットをくすぐる研究で「笑いと遊び心の中枢」を発見!

ラットをひたすらくすぐる過酷な研究で「笑いと遊び心の中枢」を発見
ラットをひたすらくすぐる過酷な研究で「笑いと遊び心の中枢」を発見 / Credit:University of Bristol

意外かもしれませんが、ネズミも楽しくなると笑い声を上げます。

ラットをくすぐったりラットと一緒に遊ぶ実験では、楽しんでいるときのラットが、人間には聞こえない超音波の「笑い声」をあげていることが示されています。

他にも類人猿、鳥類、昆虫、トカゲやカメ、そして魚類に至るまで、幅広い種が「遊び」を行うことがわかってきました。

しかし遊びは理解が遅れている行動であり、動物が遊ぶときに脳内でどんな現象が起きているかは大きな謎となっていました。

多くの人は「遊びは子供じみた行いで重要ではない」という偏見を持っており、遊びの研究は後回しにされ続けていたからです。

しかし過去に行われた研究では、意思決定に必要な大脳皮質が全て破壊されたラットでも、フラフラと遊びを続けることが示されています。