続いて、もっと広い範囲で水準を国際比較してみましょう。

図3 1人あたり財産所得(正味) 家計 為替レート換算値 2023年OECD Data Explorerより

図3が人口1人あたりの家計の財産所得(正味)について、OECD各国での国際比較となります。

上位はアメリカ、スイス、ニュージーランド、ドイツ、イギリス、イタリアと続きます。

日本はどちらかと言えば下位になります。

国全体としては先進国でもかなり高い水準ですが、家計の財産所得はそれほど多くないという事になりそうです。

同様にノルウェーやルクセンブルクの水準もそれほど高くないのも印象的です。

これらの国は先進国の中でも所得水準がかなり高いはずですが、財産所得の程度としてはそれほど高くないようです。

4. 対GDPの推移

つづいて、各国の経済規模を表すGDPとの比率でも見てみましょう。

まずは主要先進国の推移からです。

図4 財産所得(正味) 対GDP比 家計OECD Data Explorerより

図4が家計の財産所得(正味)対GDP比の推移です。

日本はフランスと共にかなり低めの水準が続いているようです。

イタリア、イギリスが低下傾向で、アメリカが上昇傾向なのも興味深いですね。

2023年の時点では上位4か国が9~10%くらいとなっています。

5. 対GDP比の国際比較

最後に財産所得(正味)対GDP比の国際比較をしてみましょう。

図5 財産所得(正味) 対GDP比 家計 2023年OECD Data Explorerより

図5が家計の財産所得(正味)対GDP比の国際比較です。

上位がメキシコ、コスタリカ、コロンビアと中南米諸国となっているのが印象的ですね。

その後にドイツ、アメリカ、イタリア、イギリスと続きます。

所得水準の高い国ではスイスが比較的上位ですが、ノルウェー、ルクセンブルクが最下位近くと大きく傾向が異なっています。

日本は4.9%で31か国中17位と、先進国の中ではやや少ない方になるようです。

6. 家計の財産所得の特徴