海の謎は、まだ終わらない

 巨大な氷山が奏でた、壮大な地球のきしみ――。それが、謎の音「ジュリア」の最も可能性の高い正体なのだろう。それは、クラーケンや古代生物の生き残りに比べれば、ずっと現実的で、少しだけロマンに欠ける結論かもしれない。

 しかし、25年経った今も、海の8割以上が私たちの知らない未知の世界であることに変わりはない。科学がその正体を解き明かしてもなお、「ジュリア」という音の響きは、深海の暗闇の向こう側への想像力をかき立てる。

 もしかしたら、この音に耳を澄ますことは、地球そのものの声に耳を傾けることなのかもしれない。海の謎は、まだ始まったばかりのようだ。

参考:SurferNOAA PMEL Acoustics ProgramWikipedia、ほか

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