暴走列車ネタニヤフ首相はどこまで走るのか?
イスラエルのネタニヤフ首相がガザ全土の占拠姿勢を打ち出しました。同地区は同国シャロン首相(当時)が2005年に入植計画を撤廃してガザを監獄のようにしてしまったことが現在の抑圧されたハマスの暴発を招いたのかもしれません。日本の戦国時代を含め、戦いの勝利の方程式の一つは相手に逃げ道を必ず残すこととされます。ところがガザはパレスチナからも物理的に離れ、孤立化の状態にあることが更なる不幸を招いたとも言えます。
ネタニヤフ首相はガザ地区について全土占拠後、第三国の統治下に置くべきと述べています。では欧州各国が国家承認をしようとしているパレスチナとの関係はどうなるのか、このあたりはまだはっきりしませんが、個人的には物理的に飛び地的な状態であるゆえにパレスチナと切り離すことが必要なのだろうとは思います。レバノンもヒスボラに年内に武装解除をするよう指導する方針です。とすればいわゆる好戦的なイランの影響下にある過激組織が抑え込まれる展開となれば確かにロジックとしては中東和平が起こりうる可能性はあります。
ただ、ネタニヤフ首相のやり口を称える人は少ないでしょう。イスラエルに気を使ってきたドイツもついにガザに使われると思われる武器の輸出を停止すると発表しました。日本ではユダヤ人は称えられたり金持ちになる方法を知っているといった認識が強いと思いますが、カナダを含め、欧米では見えないわだかまりはあります。ユダヤ人は力量があるのでそれを口にしないだけの話で基本的には関わらないようにする人は多いのです。トランプ氏の姿勢は歴代アメリカとユダヤの関係が濃いこともありますが、氏の個人的な思いがもっと強いのでしょう。ネタニヤフ氏の野望の終点はいったい何処にあるのか、これは本人も含め、誰もわからないのかもしれません。