「自分の性格を変えたい」と考える人は意外と多いかもしれません。
では自分の性格を意図的に変えていくことは可能なのでしょうか?
米セントルイス・ワシントン大学(WashU)とスイス・チューリッヒ大学(University of Zurich)の2人の心理学者は、先行研究のレビューを通じて、自分の性格を変えるには4つの重要な要因が関与していることを報告しています。
これら4つの要因は、性格を変えるプロセスにおける道しるべのようなものです。
これを順番通りに実践することで、自分の性格を意識的に変えられるかもしれません。
研究の詳細は2024年3月15日付で学術誌『Nature Reviews Psychology』に掲載されています。
目次
- 性格を変えるための「4つの要因」とは?
性格を変えるための「4つの要因」とは?

基本的に人の性格は「若いうちに形成され生涯にわたってほとんど変わることがない」と言われています。
臆病な人は臆病なまま、短気な人は短気なまま、その個性がずっと続いていくというのです。
確かに、人にはそれぞれ死ぬまで変わらない気質があるかもしれません。
しかしここ数十年の研究で、個人の性格は長期にわたり安定することはあっても、永遠に固定化されることはなく、人生を通じて適度に変化しうることが示されています。
そこで研究主任のジョシュア・ジャクソン(Joshua Jackson)氏とアマンダ・ライト(Amanda Wright)氏は、先行研究をレビューして、性格の変化が起こるときに見られる重要な要因を特定しました。
それが以下の4つです。
1:前提条件(Preconditions)
第一の要因は、自分の性格を変えたいという願望や動機、欲求があることです。
また、性格が変わることに対して心理的にオープンであることです。