「リュクルゴスの聖杯(Lycurgus cup)」は、紀元4世紀頃の古代ローマで作られたガラスの杯です。
聖杯の表面には、リュクルゴス王(ギリシア神話に登場するトラキア王を指す)の神話的な場面が彫刻されています。
現代の専門家を驚かせるのは、その美しさだけでなく、聖杯の核となる神秘的な仕組みです。
聖杯のガラスは色が変わる構造になっており、光を照射する角度によって不透明の淡い緑から赤みを帯びた色に変わるのです。
これと同じ効果を持つ遺物は、1600年前という同時代には類例がありません。
なぜなら、二色性効果を生み出すには、金や銀のナノ粒子を正確に計測して操作する必要があるからです。
つまり、当時の古代ローマ人は、すでにナノテクノロジーの技術を有していた可能性が指摘できます。

一方で、ナノテクノロジーは1970年代に始まる技術であり、ローマ人が知っていたとは考えられません。
専門家の中には「二色性は偶然の産物である」とする意見もあります。
そう言うしかないほど、当時の技術力ではあまりに不可能なのです。
第8位 ダ・ヴィンチの円形戦車

「万能の天才」レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)は間違いなく、この地球上に存在した最も賢い人間の一人でした。
ダ・ヴィンチは、自身のあらゆるアイデアをメモとして残していますが、その中に謎めいた「円形戦車」の設計図が残されています。
これは1485年頃に描かれたものであり、円錐形の装甲と、巨大な亀のような外観をしていました。
ただ、現代の専門家からすると、この設計図では戦車が重すぎて先頭には不向きであること、動力源となる歯車が逆に設計されていることなど、問題点がかなりあります。
また、実際に作ったとしても動かないと予想されています。