5000年間、土に埋められた謎の巨石「コクノストーン」は宇宙の地図か、古代の儀式の祭壇か?の画像1
(画像=画像は「Ancient Origins」より)

 スコットランドの地に、5000年もの間、意図的に埋められ、その存在を隠されてきた一枚の巨大な岩がある。その名は「コクノストーン(Cochno Stone)」。表面には渦巻きや同心円、そして奇妙な“4本指の足跡”など、約90もの謎めいた彫刻が刻まれている。

 19世紀に発見されながら、破壊行為から守るため再び土の中に封印されたこの「コクノストーン」は、一体何のために作られたのか。ある者は「宇宙の地図だ」と言い、またある者は「生と死を司る儀式の祭壇だ」と語る。

 最新のデジタル技術によって、ついにその全貌が明らかになりつつある、ヨーロッパで最もミステリアスな古代遺跡「コクノストーン」の謎に迫る。

発見、そして半世紀の封印

「コクノストーン」が歴史の表舞台に姿を現したのは、1887年のこと。ジェームズ・ハーヴェイ牧師によって発見されたこの巨大な岩(縦7.9m × 横12.8m)は、その複雑で美しい彫刻から、スコットランドで最も優れた岩面彫刻(ペトログリフ)の一つとされた。

 しかし、その価値が知られるにつれ、悲劇が始まる。訪問者による落書きや破壊行為が後を絶たなくなったのだ。事態を憂慮した考古学者たちは、1965年、未来の世代のためにこの貴重な遺産を守るという苦渋の決断を下す。それは、「コクノストーン」を再び土の中に埋め、封印することだった。

 こうして、「コクノストーン」は発見からわずか80年足らずで、再び人々の目から姿を消した。その謎めいた姿を再び目にすることができるまで、実に半世紀以上の時を待たねばならなかった。

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(画像=画像は「Ancient Origins」より)