その結果、摂取した水分のうち、どれだけが体内に保持されたかが比較されました。

飲料には、スキムミルクや経口補水液、オレンジジュース、コーヒー、炭酸水など日常的に飲まれているものが含まれており、それぞれの飲料に含まれる栄養素やカフェイン、糖分、ナトリウムの量が異なっていました。

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水分補給してから2時間後のBHIを分析 / Credit:Canva

この実験において、BHIの計算は2時間後の体内水分バランスをもとに行われました。

研究チームが4時間全体ではなく2時間時点に注目した理由はいくつかあります。

まず第一に、この時点で飲料ごとの差が最も明確に現れていたことです。

第二に、4時間中に排出された尿の約82%が、2時間以内に出ていたことが挙げられます。

第三に、日常生活では2時間以内に再び飲食が行われることが多く、それ以降は初期の飲料の影響が薄れるためです。

そして第四に、2時間と4時間で算出されたBHIにほとんど差がなかったためです。

つまり、2時間時点のBHIは、科学的・統計的・実用的に最も適したタイミングであると判断されたのです。

では、最も水分保持力が高かった飲み物は何でしょうか。

最も水分保持力が高い飲み物は「スキムミルク」だった

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最もBHIが高いのはスキムミルクだった / Credit:Canva

研究の結果、スキムミルク(脱脂乳)が最も高いBHI値(1.58)を示しました

これは、水よりも339グラム多く体内に水分を保持していたことになります。

次いで経口補水液(ORS)がBHI1.54、全脂乳が1.50という数値を示しました。

一方、コーラ、ダイエットコーラ、スポーツドリンク、炭酸水、コーヒー、紅茶などは、水と同等、あるいはそれ以下の水分保持力しか持たないことがわかりました。

なぜスキムミルクが最も優れていたのでしょうか。

スキムミルクには乳糖やタンパク質、少量の脂肪が含まれており、これらが胃からの排出速度を遅くすることで、水分の吸収がより長く継続されます。