1.5兆円の財源はどこから捻出する?
与野党5党が「今年中の廃止」を掲げ、8月臨時国会で具体的な法案調整するわけですが、焦点は代替財源1.5兆円の穴埋め策。炭素税の引き上げ案や自動車重量税の見直し等をしなくてはならず、結局は増税になるわけです。
で、なかには「石油元売りに出してる補助金を止めればいい」という人がいます。なにかというと家計・企業の負担増を抑えるため、元売りの“卸価格”を補助して小売(店頭)価格の急騰を抑制する仕組みです。2025年5月22日からは「定額引下げ」方式(ガソリン・軽油は10円/L、灯油・重油5円/L、ジェット燃料4円/L)に移行しています。総額は原油・為替と補助率設計によって大きく上下しますがガソリン・軽油は10円/Lはかわらないので暫定税率と一緒にこれをやめると
ガソリンは16円くらいの値下げ 軽油は10円の値上げ
になり、運送業界のコストを直撃するわけですね。ガソリンが16円の値下げだと1ヶ月ではせいぜい500円くらいの家計の助けにしかなりません。逆に運送コストが上がるのでこの補助金なくしていいの?って感じです。
もともと暫定税率なんだから廃止する代わり、他国と比較して相当に低いガソリン税率を上げるべきではないかと私は思います。
一家庭1000円しか変わらないのに市場は円安に動く
先日、与野党が合意した7月30日時点で円が売られて1ドル150円を突破。そのあとアメリカの失業率がかなり高くなったと言うことでドル安になりましたが、「日本の減税」にたいしては市場は敏感に反応して円が売られます。
今年の2月にIMFが「日本の財政は本当にヤバい。これ以上赤字国債を発行して日本があぽーんになってもIMFはなにもしないぞ。他国と比較して低すぎる消費税をあげなさい」って警告してきた。日本の自称積極財政派が「国債はいくら発行しても平気だガー」と主張しても世界の投資家はそうは見ていないから、円売りになるわけです。円安になったらインフレですからガソリン代が月1000円安くなっても他が値上がりするわけです。