だからこそ、現時点で私たちが取るべき行動は「AIを恐れる」のではなく、「AIを使う側に回る」ことである。

人間に強く紐づく仕事をする

最後に強調しておきたいのは、AIが進化すればするほど、「人間にしかできない仕事」の価値が相対的に高まるという点である。

極端な話でいえば、音楽やスポーツ、お笑いなどの芸能の仕事だ。これらは機械のほうが上手かもしれないが、ロボットがするサッカーの試合や音楽会、漫才を見るために誰もお金は払わないだろう。

その他にも、仕事は商品というより営業マンそのものを売る本質がある。「せっかくのマイホーム、信頼できるあなたから買いたい」といったような心を掴む営業ができれば、AIの提案を超えるベットも現実的にあり得る。

筆者の場合は記事や動画を出している立場であり、「似たような内容でも、他の人ではなくあなたから話を聞きたい」と嬉しい指名をもらうこともある。自分はその信頼を裏切らないように仕事をするだけだ。このように仕事には人間の本質的な価値が宿り、強く属人的に紐づくものがある。

AIに労働を任せ、仕事に集中できる未来は、むしろ歓迎すべきではないだろうか。

未来は誰にもわからないわけだが、ひたすらAI脅威論とディストピアに怯えて生きる気力をなくすのは人生のムダ遣いである。不安を爆発させてディストピアを叫んでも、現実は変わらない。変えられるのは、今この瞬間にどう動くかだけである。状況が変わればその時にまた改めて最適解を考えればいい。

 

■最新刊絶賛発売中!

[黒坂 岳央]のスキマ時間・1万円で始められる リスクをとらない起業術 (大和出版)