今も終わらない事件、ドキュメンタリーが投じた一石

 この忘れ去られようとしていた事件に、再び光を当てたのが、2021年に公開されたドキュメンタリーシリーズ『Fall River』(制作:ブラムハウス)だ。番組は新たな証拠や関係者のインタビューを通じて、警察の不正や証拠の矛盾を鋭く指摘。ドリューの無実を訴え、事件の再調査を求めた。

 カール・ドリューは今も獄中から無実を叫び続けている。そして、物語の鍵を握るロビン・マーフィーは、2024年5月、ついに仮釈放された。彼女の口から、本当の真実が語られる日は来るのだろうか。

 フォールリバーの殺人事件は、未だ解決していない。それは、悪魔崇拝というオカルトの皮を被った、人間の暴力と絶望、そして社会の脆弱性が絡み合った、あまりにも複雑で悲しい物語なのである。

参考:Mysterium IncognitaWikipedia、ほか

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