JPMによると個人投資家のオプション取引は再び盛り上がった。GSも投機的トレードの盛り上がりを指摘する。コンセンサス・ショートは焼かれた。ただ肉眼ではそれ以上コンセンサス・ショートを追い掛ける動きは盛り上がっていないようにも見える。そんなのよりメガテックを追いかけた方が分かりやすいではないか。
BofAのディーラーガンマは6200台に山があり、これはサポートになると思われるし、現に金曜の下落を受け止めたと思われる。上値の山は消えてしまっており、6400より上はネガティブガンマが続く。殺到するコール買いを相対で取らされていたということか。6200台の山を越えて6100まで割り込むと再びネガティブガンマ域に入るため、レジームが変わりやすいだろう。
決算自体はメガテックを中心にかなりよかったのだが、そこまで先取りされていたせいか好決算も利食いのきっかけになりやすかった。それでも、今後マクロネタで振り回される場面はあっても、「決算はよかった」という記憶を消すほどではない。
NAAIMは生意気にも調整を先取りした。これはDBの裁量勢のポジション縮小とシンクロしており、8/1の下落がそれなりの数の市場参加者にとって予想通り、或いは期待通りのイベントであったことを示唆する。それが「8月発表の雇用統計」という昨年の前例もある縁起の悪いイベントでそれ以上パニックが広がらなかった背景であったと思われる。その構図なら、仮に続落するとしたら何かしらの浅い底打ちと思わせるブル・トラップが構築されるはずだ。
一方、シーズナリティは8月に入ったことで一気に最良から最悪に転ずる。先週の目まぐるしいニュースよりもとにかく「8/1より前に一旦売れ」がワークしており、前回の記事でメガテックは滑らないだろうとした上で「もし8/1を前に既に大幅に上昇していたら8/1を前に撤収する選択肢も出てくるだろう」と述べたのが結果的にかなり高い精度の予言になった。自社株買いブラックアウトも大半が明けるものの、シーズナリティは悪化するため、売りたい参加者にとっては派手に売れる時間帯に入る。