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2025/08/10
米国の気候作業部会報告を読む③:海洋酸性化…ではなく海洋中性化
サンゴの被覆率(海底面積に占めるサンゴの割合)の減少時には「CO2のせいだ」としていた研究機関やメディアにとって不都合なことに、GBRのサンゴ礁の面積はV字回復した、ということだ。こうなると、CO2のせいだとは言えなくなってしまう。
上記以外にも、気候変動がサンゴ礁に与える研究については、分野全体にわたって、科学的方法をきちんと踏まえずに徒らに気候危機を煽る結論を述べ立てる論文が蔓延しているという問題があることを、CWG報告書では、具体的な例を挙げて述べている(引用は略)。
要約すると、海洋生物は複雑であり、その多くは現在の海洋よりも酸性度が高かった時代に進化しました。現代のサンゴの祖先は、約2億4500万年前に初めて出現しました。その後2億年以上にわたり、CO2濃度は現在の数倍から数十倍に達していました。海洋「酸性化」が海洋生物に与える影響に関する一般の議論は、一方的で過大評価されたものが多く見られます。
以上、「海洋中性化」についてのCWGの記述を紹介した。なお海洋中性化自体について更に詳しくは関連記事を書いてきたのでリンクを参照されたい。
・米国の気候作業部会報告を読む①:エネルギー長官と著者による序文 ・米国の気候作業部会報告を読む②:地球緑色化(グローバル・グリーニング)
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『データが語る気候変動問題のホントとウソ』
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